資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取組方針
2024年5月23日発表 |
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現状分析
企業価値向上に向けた取組み
現状分析
1. 当社のPBRの推移
株式市場における総合的な評価を示すPBRでは、過去10年以上にわたり、安定して1倍を超える水準で推移しており、直近の2023年度では1.4倍となっています。
2. 当社のROEの推移
足元の収益性を示すROEは、2023年度で10%となり、当社が推定する株主資本コストは概ね5%程度であり、これを上回る水準で推移しています。
3. 当社のPERの推移
将来に向けた成長性を示すPERは、15倍前後の水準で推移しており、直近2023年度では15.2倍となりました。
4. 競合他社と比較した当社の位置づけ
上図はエネルギー競合他社と比較した、当社のROEとPERの図表となります。
横軸がROE、縦軸がPER、オレンジ色の曲線はPBRが1倍であるラインを示しています。
当社のROE・PERの位置づけは、業界の中でも比較的高い水準にあることが分かります。
引き続き、株主・投資家の皆様からの期待に応えるべく、更なる収益性・成長性の向上に取り組んでまいります。
企業価値向上に向けた取組み
1. 取組みの全体像
収益性と成長性を向上させていくために、当社では3つの取組を推進してまいります。
1つめは「事業ポートフォリオ経営への取組み」、2つめは「各事業の拡大・効率化の推進」、3つめは「ESG経営への取組み」です。
これらの取組みにより、ROE、PER、そしてPBRを更に向上させていきます。なお、ROEについては、中期経営計画でも掲げた通り、2025年度時点で10.8%を達成することを目標としています。
2. 事業ポートフォリオ経営への取組み
1つめの「事業ポートフォリオ経営への取組み」について。
資本収益性・成長性がいずれも高い「成長領域」には、エネルギー、法人向け情報通信、建築設備不動産の各事業が該当します。これらの事業では、積極投資により更なる事業の拡大を目指します。
高成長であるものの資本収益性が一定水準に満たない「期待領域」には、GX関連、海外、地域連携が該当します。これらの事業においては、事業モデルの確立、安定収益化を目指します。
高い資本収益性であるものの、成長性が一定水準以下の「成熟領域」には、個人向け情報通信、CATV、アクアが該当します。これらの事業では、効率化と顧客基盤強化により安定収益を確保してまいります。
また、資本収益性・成長性がいずれも低い「改革領域」について、該当する事業がある場合は、事業収益の改善可能性を見極めた判断を実施していきます。
このように、当社では、グループ全体最適を実現するポートフォリオ構築に向けたマネジメントを強化してまいります。
また、グループの持続的成長に向けて、期待領域に新規事業を創出する取組みや、グループシナジーの創出に向けた取組みについても引き続き推進してまいります。
3. 各事業の拡大・効率化の推進
2つ目の取組み「各事業の拡大・効率化の推進」について。
事業ポートフォリオ上の位置づけを踏まえた拡大策・効率化策を事業ごとに推進していきます。
「成長領域」に位置づけたエネルギー事業においては、顧客基盤拡充に向けた投資により着実な成長を実現してまいります。主力のLPガス事業においては、M&Aやエリア拡大により更なるシェア率の向上を推進し、持続的成長を実現してまいります。また、資本収益性向上につながるコスト削減策として、DX推進による業務効率化にも引き続き取り組んでまいります。
法人向け情報通信事業では、積極的な投資によりエリア・サービスを拡大し、グループの成長をけん引してまいります。具体的には、積極的なインフラ投資によりビジネスエリアを拡大していくほか、更なるDX人財の拡充を通して、成長に向けたデジタル基盤を強化してまいります。
「期待領域」に位置づけた各事業の具体的な取組みについて、GX関連事業では、太陽光発電や蓄電池の普及促進などを進めてまいります。海外事業では、エネルギー分野でベトナム・フィリピン、情報通信分野でインドネシア・台湾に進出しましたが、引き続き海外展開に注力してまいります。地域連携事業では、地域密着サービス、官民連携の事業をグループ各社において推進してまいります。
4. ESG経営への取組み
3つめの「ESG経営への取組み」について。
持続的成長につながる環境・社会・ガバナンスの各テーマでの取組みを加速させてまいります。
環境に関する取組みとしては、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取組みとして、お客様のエネルギー利用と、自らの事業活動における2軸で取り組んでまいります。
社会に関する取組みとしては、人財・組織の活力最大化、および従業員のウェルビーイング向上につながる取組みを推進してまいります。
ガバナンスに関する取り組みとしては、コンプライアンス・ガバナンスの徹底に取り組んでまいります。
これらの取組みを通じて、株主・投資家の皆様からのご理解・信頼を得ることで、更なるPER向上を目指します。