TOKAIケーブルネットワーク
インターネットを伝送路とするIP放送システムの実証実験を開始

2024年7月8日

 当社グループのCATV 事業を担う株式会社TOKAIケーブルネットワークが、古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:森平英也、以下『古河電工』)と共同で、本年8月下旬からテレビ放送の信号を、インターネットを介して伝送する方式(IP放送システム)の実用化に向けた実証実験を行うことを、下記のとおりお知らせいたします。

 当社グループのCATV事業では、地域事業者としての強みを活かし、地域における基幹インフラ提供者の役割を強化していくとともに、地方創生や、地域住民の生活の質を向上させる事業者として信頼と地位を確立してまいります。

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IP放送システムの実用化に向けた実証実験を開始

 株式会社TOKAIケーブルネットワーク(本社:静岡県沼津市、代表取締役社長:鈴木光速、以下 『当社』)は、古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:森平英也、以下『古河電工』)と共同で、本年8月下旬からテレビ放送の信号をIPに変換して伝送する方式(IP放送システム)の実用化に向けた実証実験を行います。

 本実験では実際の運用を想定し、実伝送路を用いて技術基準で定められた品質を検証するとともに、ヘッドエンドでの放送受信から受信端末までのシステムの検証を行います。

■ 背景

 近年、IP放送実用化のための技術的条件の検討が進み、2019年に総務省が品質に関する技術基準を定める省令などの整備を行い、2023年には一般社団法人日本ケーブルラボにてケーブルテレビ事業者での実用化に向けた運用仕様が策定されました。また、ブロードバンドネットワークの普及に伴い、IP放送を実現するために必要とされる伝送容量が確保されつつあります。

 このように技術基準や伝送インフラが整備され、地上デジタル放送、BS/高度BSデジタル放送、多チャンネル放送をIPネットワーク経由で提供するための基盤が整えられることで、ケーブルテレビ業界においてもIP放送の導入が今後加速していくものと考えられます。

■ 内容

 本実証実験では、IP放送サーバとIP放送中継サーバを用いて、放送サービスを効率的に送出できるシステムを検証します。放送サービスは、地上デジタル放送、BS/高度BSデジタル放送、コミュニティチャンネル、プラットフォーム事業者から配信された多チャンネル自主放送とし、マスターヘッドエンドの共用化やサブヘッドエンド独自の放送サービスの追加を柔軟に行えることを検証します。

 また、IP放送品質監視サーバを使用して、実伝送路におけるパケット損失率や平均遅延時間、平均遅延時間の揺らぎといった技術基準で定められた項目を評価し、省令の技術基準に則った品質で放送サービスが提供できることを検証します。

■ 実証実験の概要

実施期間 2024年8月下旬から12月下旬(予定)
ポイント IP放送運用仕様に則った実伝送路での実験
マスターヘッドエンド及びサブヘッドエンド構成での効率化
品質監視サーバを用いた技術基準で定められた項目の検証
各社の役割 当社 FTTHネットワーク環境の提供と応用技術の検証
古河電工 IP放送関連システムの提供と品質・トラフィックの検証

■ マスターヘッドエンドおよびサブヘッドエンド構成の概念図